理事長あいさつ

「性同一性障害」
それは、1つの個性であり、人それぞれ個人の生き方であり、つまりパーソナル・アイデンティティこそ、当事者や家族、周りの支援者を含めたすべての方一人ひとりが夢を追いかける主人公であると私たちは考え、その理念のもと、社会の一員としての使命(責任)を果たし続けることにより、当事者の人権擁護を確立していきたいと考えています。

「自分が何者なのか分からない」という自分のこころの中で続く葛藤は、当事者にとっては、とても長く、苦しく、辛いものです。
その葛藤から脱するためにも、異なったアイデンティティを持つ人々と、どのようにお互いを尊重し合っていくか、また、周囲との調和を自分自身が模索する中で、あと一歩の勇気が必要だったり、理解してくれる仲間にほんの少しだけ背中を押してもらうことで、自分の中に芽生えた僅かな勇気が、今まで関わってきた周りの人々の固定観念をも覆すことができるようなパワーを持ち、たとえ自己を開示したとしても以前と変わらず接してくれ、受け入れてもらえるような人間関係を作り出すのもまたパーソナル・アイデンティティだと思います。

今のあなた自身(パーソナル・アイデンティティ)に「勇気」と、「自信」と、「誇り」を持ってください。あなたが描く未来は、あなた自身で決めることができます。
性同一性障害であることは決して、隠すことでも、恥ずかしいことでも、劣等感にさいなまれることでもありません。ただ、状況によっては隠さなければいけなかったり、恥ずかしいと感じたり、悩んだり苦しんだり、もしかしたら心に傷を負うような辛い経験をするかもしれません。でも、それは長い人生の中で大切な一つの経験であり、当事者であれば誰しもが一度は通る道で、その辛い経験があるからこそ、人間には優しさという感情が生まれ、そして成長し、二分法という性別の境界線を越えて人と人との絆が深まっていくのだと私たちは考えています。

そして、「あなたがあなたであること」で確立される、あなたの個人ブランドは、「あなただからこそできる」、「あなたにしかできない自分らしさ」を自由に表現できる空間として、そのほんの僅かな勇気が持てるような繋がりを広げる一助としていただければ幸いです。

今後は、社会生活の自立に向けた支援活動を通じて、精神的苦痛や閉塞感から抜け出せない将来への生活的不安を改善し、当事者だけではなく、その周りに関わるすべての方々が未来への希望が持てるような暮らしづくりと、多様な人々を肯定していく社会づくりに貢献する活動を広げていきたいと考えています。

そして、性同一性障害に関する様々な問題に、「性の有り方を自分の意思で選択できる社会」と「差別のない社会」を目指し、ほんの僅かでも幸せや夢を運べる存在でありたいと願っています。そして私たちも日々活動に取り組みながら、幸せや夢を身近に感じられるような支援活動に全力で取り組んでまいりますので、今後一層のご指導と、皆様からの温かいご支援・ご協力を宜しくお願い申し上げます。